【株式投資】新しい資本主義はどこへ行く? 「1億総株主」と若者の株式長期投資のすすめ
岸田首相が掲げる「新しい資本主義」の実現に向け、自民党の経済成長戦略本部が「1億総株主」という目標を提言した。
あれあれ? 岸田首相は新自由主義から方針転換するんじゃなかったの?
「分配重視」で「所得倍増」を目指すんじゃなかったの?
従来路線に戻ってもうてるやん!
……とツッコミを入れた人は多いはず。
日本の若者が助かるには米株を買うしかない?
私は22年前に株式投資を開始し、少しばかりの資産を築いた。
それがあったお陰で、子育て期に安心してフルタイム勤務をパート勤務に切り替えることができた。
さらにはブラックだった会社を辞め、アルバイトで転職した。
給料はますます減った。でも株式投資からの収入があるから平気だった。
フルタイム勤務の時は過労状態だった。今は余裕をもって、仕事と家事育児の両立ができている。
株式投資が人生を救ってくれた。
今の若者は大変だ。日本人の平均年収は下がり、夫婦共働きで家計を支えるのは当たり前。
終身雇用でもなけりゃ年功序列でもない。歳を取っても給料が増えるとは限らない。
年金がもらえるかどうかも分からない。
「1億総株主」。
日本経済にとってどうなのかはともかく、個人にとって、株式投資は良いことだと思う。
それどころか、個人的には「絶対に必要」とすら思っている。
理由は、有名な「r>g」の不等式(※)。
長期的に、資本収益率(r)は経済成長率(g)を上回るというのなら、広がっていく格差の中で、労働者に自衛できることは、なるべく資産を持ち、投資をして、少しでも資本家側に寄せていくことではなかろうか。
投資先は経済の先行き不透明な日本ではなく、アメリカか世界全体がいい。
投資信託を持つことで、経済成長の果実を、日本人にも分けてもらうのだ。
実際、老後に必要とされる2000万円だって、20代からコツコツと長期積み立て投資をすれば、引退までに作れる可能性が高い。
副業で成功するより、よほど簡単だ。
しかし、生活がギリギリで、投資に回せるような余剰資金がない人はどうすればいいだろう。
※「r>g」の不等式
rは資産によって得られる富(配当金、利息など)を、gは労働によって得られる富(給与など)を表す。
トマ・ピケティは著書『21世紀の資本』で、18世紀まで遡ってデータを分析し、長期的にrはgより成長が早いということを明らかにした。
大企業の利益になる政策はすぐ実現するのに
給料が上がらなきゃ、投資できない人がいる。
やはり「分配」が必要だ。「所得倍増」して欲しい。
ところが岸田首相が「骨太の方針」に盛り込もうとしているのは、「所得倍増」ではなく「資産所得倍増プラン」だった。
「従来路線に戻ってもうてるやん!」私は思った。
結局、「大企業の利益になる政策は実現する(そうでなければ実現しない)」ということなのか?
「貯蓄から投資へ」なんて、二十年前からずっと言ってる。新しくもなんともない。
それでNISAができ、iDeCoができた。
金融機関の市場拡大は明らかだった。
そこを更にまた拡充するらしい。
別に悪くはない。
私はNISAもiDeCoも限度額まで利用しているから、拡充されれば嬉しい。
けれど、直接的に国民に分配する「減税」や「一律給付」の話は露ほども出ないのに、そっちは直ぐにやるのね、と思ってしまう。
金融リテラシーがなければ、怖くて投資できない
2021年に野村総合研究所が行った「生活者1万人アンケート調査」によると、25~69歳の男女で投資をしている人の割合は21.1%だった。
日々株式市場をウォッチし、投資系YouTubeチャンネルを見ていると、誰もが株式投資をしているような気がしてしまうが、実際は違うようだ。
ネットやテレビを見ると、「1億総株主」への反応にも、株式投資への抵抗感が窺える。
お金が減るのが怖い、という人がいる。やり方がよくわからない、という人がいる。
抵抗感の理由の一つは、株式投資に関する知識のなさだろう。
実際海外と比較して、日本人の金融リテラシーは低いらしい。
金融広報中央委員会による「金融リテラシー調査2019年調査結果」を見ると、日本人の金融リテラシーは、米国と比較しても、英国、ドイツ、フランスと比較しても、総じて低いという結果になっている。
2022年から新しい学習指導要領により、高校での金融教育が必修化された。
公教育による対策はまだ始まったばかりであり、内容も十分とは限らない。
金融リテラシーを持つ者と、持たない者。
投資できる余剰資金を持つ者と、持たない者。
制度の拡充だけでは、貧富の格差は開くばかりだにゃー。
★「一億総株主」には賛成!
★投資できるような環境づくり(給料アップ、お金の教育)もお願いします!